行田店のブログ

2021.05.25

86BRZレース 富士スピードウェイ②

 続きまして金曜日の練習走行編であります。

練習走行2本をこなします。

30分1枠なのでトータル1時間の走行であります。・・・・がsign03

30分連続走行するはずがありません。

翌日の予選アタックに向けての調整をします。

走行会だと車高調の減衰力設定の変更やタイヤのエア圧を調整している方が多いでありますが、このレースになると、

ピットロードで「車高調整」「アライメント」「プリロード調整」「ブレーキパッド交換」が多いであります。

タイヤを外さないといけない作業ばかりなので1台あたり4人ほどメカニックが待機してるであります。

ブレーキパッドはもちろん熱い状態であります。しかし冷めていくのを待っていたら走行時間は無くなるのでメカニックは「溶接用皮手袋」を使って熱い状態のまま交換します。

手袋から煙出てる人もいましたねsign03

なんでブレーキパッドを走行中に替えるの?

実は最近のスポーツカーはフルブレーキした時にABS(ブレーキを強く踏んだ時にタイヤがロックしてしまうのを機械的に防ぐ装置)の作動が前提の構造になっています。

前後のブレーキパッドの組み合わせでABS作動のタイミングや車のピッチング(前後方向の車の姿勢)が変わってきます。それのベストを路面状況によって探ります。

 

天気だけではなく直前に走ったカテゴリーのタイヤのコンパウンドまで想定する必要があります。

たとえば、とある海外製タイヤが走った後に国産タイヤで走ると信じられないほどグリップしない例もあります。もちろん沼尻も経験ありです。catface

そんなわけで沼尻は車高調のプリロードにしぼってテストを2本行いました。

2本目で丁度よくセット完了しました。トッチーの54号車も沼尻のデータをもとにセット変更であります。

その間に参加受付(ライセンスや各種申請書の提示)ドライバーズミーティング、メディカルチェック(血圧や両手の握力、医師の健康診断など)を行います。

これが手間と時間がかかります。

午後に専有走行があります。

専有走行とは、各クラスに分かれて走行します。実はここから戦いが始まるであります。

全車トランスポンダー(タイム計測できる発信機。壊すとお高い支払いがあります。)を装着し、各車両のベストタイムが公開されるであります。つまり翌日の予選で自分が大体どの順位にくるか想定が出来るであります・・・・がsign02

中古タイヤの人もいれば30分の内に新品タイヤを2セット、3セット使う人もいる・・・・極め付けは全開かどうかも定かじゃないsign03(笑)

つまり、データが公表されるということは「駆け引き」が始まるところであります。

ですが予報どうりウェット路面に・・・・ちなみに予選当日は90%晴れ予報。参考にならんsign01

沼尻は練習用タイヤを使い切ったため専有走行はキャンセル。トッチーは「タダで走れるから走ってくる」と出て行きましたが「危ないから帰ってきた。」とのことでほぼアタックしないで帰還であります。(笑)

 

最後に車検、予選に向けての整備を終えて宿に向かうであります。

専有走行がデータにならない為予選は予測不能crying

次回、予選編であります。

2021.05.17

K&Pエンジニアリング オイルフィルター

 レースの報告の途中ですが面白いパーツが出てきたのでご紹介。

こちら86レーシング53号車のオイルフィルターでありますshine

「なにこのフィルターsign02」って感じだと思いますが新商品であります。

K&Pエンジニアリングさん から販売されている次世代オイルフィルターであります。

 

商品テストの依頼があったので沼尻がテスト装着したのでご報告であります

何が違うの?って所でありますが

・圧力損失1/7の低抵抗

皆さんはオイルクーラーを装着した事はありますか?サーキット走行をする方は必要不可欠な部品でありますが実はオイルクーラーを装着するとオイルを冷却できるメリットの半面、オイルをオイルクーラーまで回さないといけないためオイルポンプの負荷が体感レベルで大きくなってしまいます。つまりエンジンのパワーロスに繋がります。

53号車のNEWエンジンの慣らし中はオイルクーラーレスで走っていましたがサーキット慣らしのためオイルクーラーを装着するとパワーとトルクを感じていた3~4000回転の加速感がなくなってしまった経験があります。問答無用で加速するターボ車ではかなり感じずらい現象でありますがNAエンジンでは顕著に感じ取ることができます。

その圧力損失をオイルフィルターで低減できるのがこのフィルターであります。

今までの繊維フィルターではなくステンメッシュのようなフィルターであります。

ですが本当にフィルターとしての機能は大丈夫なの?ってところが不安に感じるかと思いますがこのフィルターはFAA/PMA EASA認定という規格つきshine

「航空機産業」の規格だそうです。つまり航空機業界が認めた品質という事になるでありますsun

これは大丈夫でしょうcatface

実は現地に行った人しか分からないでありますが86BRZレースのでも装着者多数であります。特にプロクラスの方々は多いであります。

品質は信頼がおけると思います。

実際体感できるの?

沼尻は体感できました。NAエンジンの車なら「回転の軽さ」を感じ取ることができると思います。レース行ったままのオイルでフィルターのみ交換したので比較にはなったと思います。ヒール&トーをした時に200回転くらい多く回るようになりました。レースではこの200回転が大きな意味を持つでありますsign03

圧力損失が少なくなることで

パワー・トルクの向上

燃費の向上(10%以上の向上例もあるそうです。)

が主に目的です。

・再使用可

外して洗浄してパッキンだけ替えれば半永久的に再使用可能であります。YMSで作業する場合、工賃は頂くことになると思いますがそれでも高級フィルター毎回買うよりお得であります。ちゃんと「ネオジウム磁石」装着ですからエンジンのコンディションも目で見てわかります。

・破裂圧力が1000PSIを超える削りだしアルミボディ

53号車に装着したのはブルーアルマイトカラーでありますがアルミ削りだしの一品物。耐圧性能が1000PSI・・・・デフィメーターの×100KPaに変換すると約70キロsign03(笑)

油圧が高いFA20でもピークで10キロぐらいでありますからスーパー安心でありますheart01鉄よりアルミのほうが熱伝導効率がいいので冷却にも一役買ってるであります。

 

こんな形でデメリットは見当たらないであります。

正式に販売が決まりましたら改めて報告いたしますが沼尻おススメの一品でありますhappy02気になるかたは是非お問い合わせください。

対応車種は豊富なようであります


2021.05.16

86BRZレース 富士スピードウェイ①

 参戦して参りました86BRZレースのご報告でありますpaper

今回は「走行会とレースってどう違うの?」「どんな事やってるの?」といった質問を多く頂きましたので長くなると思いますが何回かに分けて詳しく報告しようと思います。

 

まずは金土日と3日間「練習日」「予選日」「決勝日」にスケジュールが分かれております。

今回はマニアックな内容を豊富に入れるであります。

基本的に他のカテゴリーと併催で行われます。(スーパー耐久やワンメイクレースなど)AE86 N1レースは1日で全てこなすスケジュールでした。

86BRZレースは参加台数が多いため一日だと収まりません。

プロクラス・エキスパートクラス・オープンクラス合わせると116台sign03

 

そんなわけでYMSレーシングチームの面子は変わらずエキスパートクラス54号車トッチー号、53号車沼尻号。オープンクラス175号車シティーオート号であります。

YMS陣営は金曜日の朝7時到着で準備開始であります。早いチームで10日前から、平均的には4日前から現地入りして泊まり込みでテストと調整を行っています。

だいたい各チーム2台体制が多いのでメカニックは10名から15名ほど。

ここで疑問sign0110日もテストしてタイヤ・オイル・アライメントなんかはどうするの?とよく聞かれます。答えは簡単です。10日分全て持ってきますimpact(笑)

レーシングカー1台に対して2トンから4トン車で必要物資を持ってきます。

現地でさらに必要な物資が出てきた場合はサーキットに直送であります。

オイル交換も当然現地でやります。1~2走行ごとにエンジン・ミッション・デフオイル交換してるチームが多いでありますshine

ブレーキパッド・ローターも2走行ごとに交換。

なぜそんなに交換するの?

もちろん各ユニットが壊れない為でありますが一番の理由は・・・・「タイムに直接影響する」からであります。

デフオイルなんかは劣化が分かりやすいであります。

デフもセッティングが違うデフキャリアASSYを3~4機持ち込んで1ヒートごとに乗せ換えしてるチームももはや当たり前。

ミッションも86BRZは弱いので練習走行終わってからミッション交換するチームが多いであります。

ミッションも予備も含めて3機ぐらい準備してるっぽいsign02

アライメントは調整するの?

アライメントテスターを持っていきます。電源とかがいらないテスター機が人気みたいであります。

シビアな話、ガソリンの量で車高がかわるのでアライメントは変わります。それにアライメントは旋回スピードに大きくかかわるので確認も含めて調整します。

さらに富士やもてぎなど大きなサーキットのゼブラ(赤・白の踏みたくなる所)は段差になっており踏み方によってはアライメントがずれる事もあります。

ハンドルのセンターが狂うほどではないです。

 

これらの作業をメカニックは馬・ジャッキで全て走行枠の合間にこなさなければなりません。準備してきた各ユニットにもトラブルがあっては話になりません。短い時で1時間、長い合間で3時間。当然ミスすれば1枠のテストを棒に振るだけでなくレースに参加できない可能性も出てくるのでメカニックのプレッシャーははんぱないであります。

そのためメカニックの皆さんは常に全力疾走なので信じられないほど作業が速いです。ミッション交換なんて1時間ほど。

なぜそんなに新品を使うの?

サーキット走行を長くされてる方は分かると思いますが例えば新品タイヤに中古ブレーキパッドを使うパッケージと新品タイヤに新品ブレーキパッドだと制動距離が変わります。ということはタイムが変わってしまうんです。

全ての部品に同じことが言えます。

つまりデータが狂うんです。

「消耗品全て新品」が大前提なんです。

足のセット一つ変えればまた新品部品がないとデータにならない。

なのでレースはお金がかかりますnew

これも全て予選の1周でベストを出すためなんです。このベストなセッティングで全て新品部品で1周する感覚をドライバーは染み込ませなければなりません。

この内容は「レギュレーションの中で最高の状態を作るため」にやっている事です。

車側で走行会と違う事の多くがこんな部分にあります。

 

最後に大事な事ですが上記の事を全てやって「ライバルと同じ土俵」に値します。

上記の内容が何らかの都合で出来ないのなら頭フル回転でアドバンテージをひねり出すしかないでありますsign03sign03dog

次回②に続く

 

以上、ガノトトス沼尻でしたchick

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